嫌われる会社・お店ほど売上も利益もあげることが可能です。
え?って思われるかもしれませんが、それが事実です。
さて、誰に嫌われるかが重要なのですが、それは「ライバル会社」と「お客様」の2つです。
「ライバル会社」に嫌われてしまえ!
業界でオンリーワンのポジションに立つことが出来れば、ライバルがいなく大きな利益を生み出すことが可能です。
実はそのオンリーワンのポジションは、ライバル会社が「これだけはやられたらいやだ」という場所にあることが多いのです。
QBハウスは、皆さんもご存じだと思います。
通常、一般のサロンで行うシャンプーやブロー・シェービング等、自分自身で出来ることはサービスに含まず、カットのみに特化したサービスを提供するヘアカット専門店です。
QBハウスは、創業当初「掟破り」だと業界団体から反発を受けたり、お店の鍵穴にセメントを詰められたり、店舗の前にゴミを捨てられたり、様々な嫌がらせを受けました。
しかしながら、ライバル会社が「これだけはやられたらいやだ」というセグメントに進出しようとしたからこそ、これだけの抵抗を受けたことになります。
一旦、そのセグメントに進出してしまえば、ご存じのとおり、QBハウスは1000円カットの分野ではナンバーワンの地位を確固たるものとしています。
QBハウスの岩井社長も創業当初振り返ってこう言っています。
「妨害は気持ちがよいものではなかったが、他方で「これだけの抵抗に遭うということは、このビジネスモデルがイケるということだろう」と確信する思いもあった。目の前に既得権益や規制という壁があったとき、それをチャンスと捉えられるか、そこで諦めてしまうかが、一つの大きな分岐点となる。」
もう一つ例をあげます。
こちらも超有名会社であるアスクルさんです。
アスクルは、名前の通り、注文した文房具類が「明日来る」便利さを特徴としています。
アスクルは、プラス株式会社という文房具会社から始まりました。
当時プラスは、コクヨやライオンなどのライバル会社に押され、文房具業界では苦戦していました。
その打開策として通販事業を行うことになったのです。
コンセプトの「明日来る」は非常に便利なサービスであるとお客さんに好評でしたが、何より便利だと好評だったのが、「ライバル会社を含め他社の商品も一緒に注文が出来る」ところでした。
お客様としては、どうせ明日届くなら、文房具だけではなく、それこそオフィスで使う「ネスレ」のインスタントコーヒーやら「TDK」のフロップ―ディスク、「サントリー」のウーロン茶もまとめて頼みたいと考えるのが普通です。
上記の会社とは、市場で直接競業しているわけではないので商品の導入については問題ないとは思いますが、アスクルは、ライバル会社であるコクヨの商品も取り扱っていたのが特徴的です。
注文したら明日届くサービスに加えて、ライバル会社の商品でも売るというところがオンリーワンビジネスとなりました。
その当時は、ライバル会社の商品を売るという行為は、普通に考えて「やりたくないこと」「やってはいけないこと」という既成概念があったと思います。
ライバル会社であるコクヨやライオンも同じことを考えていたはずです。
そのライバル会社ですら「やりたくないこと」「やってはいけないこと」をやり始めたからこそ、オンリーワンビジネスの市場を開拓し、アスクルは大きな売り上げを上げることが出来たのです。
ライバル会社から「嫌われること」、ライバル会社が「やりたくない」「やってはいけないこと」の中に、大きな利益を生み出す市場が転がっているのです。
「お客様」に嫌われてしまえ!
利益率の高い会社・お店であるほど、結果としてお客様に嫌われてしまうことが往々にあります。
利益を高める為には、会社・お店の売りやコンセプトに共感頂けるお客様を集め、共感を頂けないお客様には会社・お店に来ることを避けてもらう必要があります。
直接的に嫌われろと言ってるわけではなく、嫌われてもいいから、お客様の取捨選択をしようと言うことです。
例えば、「居酒屋」と「海鮮居酒屋」とでは、どちらがお客様の範囲が広いと思いますか?
当然ながら「居酒屋」です。
「海鮮居酒屋」となると肉が食べたいと思っているお客様はまず来ません。つまり、海鮮に興味がない人にはお店を避けてもらうことが可能と言うことです。
しかしながら、まだまだ絞り足りません。
会社・お店の売りやコンセプトに共感頂けるお客様を集めるためには、もっと絞る必要があります。
例えば、私もよく行くお店ですが、お店の前にはイカのマークがあり、売りが「元イカ釣り漁師がイカ好きのために作ったイカ居酒屋」という居酒屋が駅前にあります。
壁にはイカの絵がいっぱいあり、メニューもイカ尽くしです。
ここまで絞ってしまえば、イカ嫌いな人は絶対に来ません。通常はイカ好きの人か、興味をそそられた人しか集まりません。
ここまで売りを絞ると何が起きるかわかりますか?
お客様は、イカが食いたくなったらこのお店と勝手にインプットしてくれるのです。
イカ好きの友達がいたら当然紹介するでしょうし、ふと居酒屋を探したときに、今日はあっさりとしたいなというときなどに、すぐ頭に浮かんでくるのでリピートしてしまうのです。
これは、「楽しくお酒を飲める居酒屋」のようなお客様を絞り切れていないお店では絶対起きない現象です。
イカ好き、イカに興味がない人以外は切り捨ててしまう。一見イカ好きなんてそんなに多くはいないから、お客様を絞り過ぎてしまうかもと二の足を踏んでしまうかもしれませんが、このように売りを絞ったお店は、結果的にお客様がリピーターになりやすく、利益率を安定させます。
お店の売りに合ったお客様を選び、他のお客様には嫌われてもかまわないというお店が最終的には高い利益率を持つのです。
まとめ
1.「ライバル会社が嫌がる」「手を出さない」場所にはオンリーワンビジネスにつながる
2.利益を高める為に会社・お店の売りやコンセプトに共感頂けるお客様だけを集める
上記のことを行うと、結果的に「ライバル会社」と「お客様」に嫌われてしまう可能性がありますが、万人に好かれる会社やお店はUSPすら確立することが出来ませんので、思い切って嫌われてしまいましょう。