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小売業・小売店の集客方法(モノではなくサービスを売るという意味)

小売業・小売店の厳しい状況はいまだに続いており、改善の見込みは正直なところ、行きつくところまで行かないと上を向かないのではないかと思っています。
不況による消費の冷え込みに加え、大型店舗に、ネットショップとライバルが多く、多くの小売店が撤退を余儀なくされています。
残念ながらこれからもさらに多くの小売店も撤退していくことになるでしょう。

私の住んでいる町の商店街も、チェーン店以外の個人店舗はことごとくお店を閉めています。
人の集まりは悪くない街なので、入れ代わり立ち代わりお店が入っているのでシャッター街と化していないのが唯一の救いでしょうか。
一旦シャッター街になってしまうと、売上を計算すること自体が難しく、新規店舗の参入もなくなり、本当に手が付けられなくなります。

最近、参加した小売業をメインとしたイベントで、モノではなくサービスを売ることで売り上げを向上させた方にお話が聞けたので少しお話します。

モノが売れなくなったのではない。

モノが売れなくなったと嘆かれている社長様やご担当者様は多くいらっしゃると思います。
しかしながら、現実的には、モノが売れなくなったのではなく、御社からモノを買う人が少なくなっただけということにお気づきでしょうか?

実際に、小売市場の売上高を見てみると、平成13度年が約136.8兆円で、平成23年度134兆円と、ほぼ横ばいであることがわかります。
市場全体での売上高は横ばい、御社の店舗売上高は下降しているのであれば、単純に購入先が変わっているということになります。

新しい購入先として、大型店及びネットショップを選ぶ方が多くなっています。
大型店やネットショップをよく利用するユーザーの声をまとめると、身近にある小売店で購入しない理由は、「高い」「探している商品がない(品揃えが悪い)」の2点に集約されます。

しかしながら、小売店が、大型店やネットショップに対抗して「値段」「豊富な品揃え」で勝負しようとすることは絶対に避けるべきです。
また、安易にネットショップ化を行うことも避けるべきでしょう。

ホームページ制作会社やその関連事業を行っている企業がネットショップは小売店の救世主のように勧める場合がありますが、制作会社側としては、ネットショップサイトは製作費も高く、また維持も大変なので維持費も取れ、ネットショップ作成自体が目的で勧めていることが多いので注意すべきです。

当然ながら、ネットショップを作っただけで成功する理由もデータも、どこにもありません。
それどころか、ネットショップに参入することで、必ず価格競争に巻き込まれます。
ネットショップは参入障壁が低く、在庫を持たない個人でも参入可能です。ライバルが多いということは価格競争に嫌でも巻き込まれます。
インターネットの傾向上、売れるところは売れますが、売れないところは一切売れないという2極化になることも多く、ネットショップ市場は売り上げを維持するのが非常に難しい市場です。

今まで、ネット集客に関わっていない方が、いきなりネットショップを開いたとしても、ほとんどの場合、失敗に終わるでしょう。
実際に多くのそのような方たちを見て来ています。
そもそも、実店舗を持つ小売店舗の方が、価格競争で勝てるはずがありません。

先ほどもお伝えしましたが、小売店が、大型店やネットショップに対抗して「値段」「豊富な品揃え」で勝負しようとすることは絶対に避けるべきです。

モノではなくサービスを売るという意味

今後の小売店の集客は、モノではなくサービスを売る方向にシフトすべきです。

モノは極端な話、どこで買っても同じです。
付加価値がない限り、安いところで購入することは当然の行動になります。
しかしながら、モノに付加価値を与えることが出来れば、単純な価格勝負にはなりません。

小売店は、モノではなくサービスを売る方向にシフトすることで差別化・専門化を図らない限り、売り上げを維持することさえ難しくなっていくでしょう。

お米店の成功例

長野県にあるお米屋さんの3代目若社長のお話を実例として挙げます。
こちらのお米屋さんでは、販売時にお米毎で違うおいしい炊き方、洗い方から、好みのお米の選び方などを顧客一人一人にレクチャーし、お米も大量配送から小口配送へとシフトすることで売り上げを向上させました。
また、月一回のお米の試食会などもお子様連れでにぎわっているそうです。

若社長は物腰は非常に柔らかく、お話ししてとても安心感のある方なので子供に人気だろうなと感じられます。
経営に関しては、かなり熱い方で、大型スーパーの台頭で、お米をお米店で買う人が少なくなったことにかなりの危機感をお持ちでした。

今までは、お米を販売する、配送するだけだったそうですが、大型スーパーが出来たころから売上が徐々に落ち始め、一時は店舗を閉めようかと考えたほどとのことでした。

現在は、見違えるように売り上げが安定し、新規顧客が増えていますとおっしゃっていました。
その売上が転換した大きな理由は、主たる顧客である主婦の方が「お米そのもの」を買いたいと思って、お米を購入しているのではないと気付いたところにあります。

主婦の方は、「お米」を購入するという行為を通して、「おいしいご飯が食べたい」「旦那様や子供においしいご飯を食べさせたい」と思っているのであって、決して、「お米そのもの」を買う行為が目的ではないのです。

若社長はそれに気付いてから「お米」というモノを売るのではなく、販売時や配送時に、お米毎で違うおいしい炊き方、洗い方から、好みのお米の選び方などを顧客一人一人に丁寧にレクチャーすることと、お米の鮮度を下げないために小口配送にすることで、「おいしいご飯を食べてもらう」というサービスを売るようにビジネスを転換したのです。

「お米」を販売するという今まで主業種だったモノを売るビジネスから、「おいしいご飯を食べてもらう」ためのサービスが主、「お米」の販売が副とするビジネスにシフトが行われたのです。

地元密着のお米屋さんなので、顧客と話すことや小口配送は以前から行っており、新たな設備投資も不要ですので、一見しただけではビジネスの大きなシフトが行われたという事実は外からわかりません。
しかしながら、「おいしいご飯を食べてもらう」ためのサービスの延長線として「お米」を販売するビジネスは、既存のモノの小売ビジネスと比べ、売上に大きなインパクト与えることになります。

今では試食会を行うと、大賑わいになるとお聞きしているので、現在でも継続した売上向上と新規顧客の獲得が行われていることが容易に推測されます。
お米を売るという単純なモノ売りではなく、「おいしいご飯を食べてもらう」ためのサービスを売ることで、大型スーパーなどの単純な価格競争から外れることが出来たことに成功の要因があります。

上記の例は、大型スーパーでは出来ない、きめ細かい「差別化」とも言え、、お米のプロとしての「専門化」とも言えます。
これは、長年小売業を行っている皆様にしか出来ない事例だと思いますし、多くのの小売店でも応用できる良い例だと思います。

USP(ユニークセリングプロポジション)を持つことは、他社とは違う独自性を持つことが出来ますので、価格競争に巻き込まれることなく、ビジネスが出来ます。
安易なネットショップへの参加は、価格競争に巻き込まれ疲弊するだけです。
まずは、USP(ユニークセリングプロポジション)を持ち、今回のケースでは顧客のニーズの実現化という差別化を持つことから始めましょう。

この他に、工務店さんやカメラ屋さんなど多くの面白いお話が聞けたので、またの機会でお話させて頂きますね。