アマゾンにドイツで労組の洗礼
5月15日サマンサ・スタインバーン
ドイツのバートヘルスフェルトとライプチヒという2つの町にある米アマゾンの倉庫で、約850人の作業員が5月14日の朝、ストライキに突入した。午後のシフトに入れば、ストはさらに拡大すると見られる。
ストは労働組合「ver.di」が呼びかけ、丸1日の予定で実施されました。組合員の人数は、バートヘルスフェルトの労働者のうち約3300人、ライプチヒの労働者のうち約2000人となっています。
今回労働組合は、国内に8カ所あるアマゾン倉庫で働く労働者たちが、労働協約を結べないでいることに抗議して行動を起こしました。「最大のオンライン小売業者であるアマゾンが、労働者と労働協約を結ばずにいることは許容できない」との声明も出されています。
これは、アマゾンが労働者に支払っている賃金が、ドイツ国内で通信販売小売業として労働協約を結んでいる他の労働者の賃金を下回っているということからの行動です。
実際どれほど金額の開きがあるのか、具体的に比較すると、
バートヘルスフェルト倉庫の新入社員の時給は9.83ユーロだが、通信販売小売業者として労働協約を結んでいる他社の賃金は12.18ユーロ
ライプチヒの場合は、協約賃金が時給10.66ユーロなのに対してアマゾンの賃金は9.30ユーロ
と1~2ユーロ以上の開きがあるようです。
アマゾン側は、ドイツにある同社の流通倉庫は物流センターであり、通信販売小売業の倉庫ではないと主張しており、物流産業だとすれば、同社倉庫の労働者たちの賃金は十分だとしていいます。
労働組合と労働協約を結ぶことになれば、アマゾンはクリスマスシーズンのボーナスや、残業時や休日出勤時の特別手当を支払わなければならなくなります。ストの収束をどのような形で終えるのか、アマゾンの対応が注目されています。