日産の今期営業利益16.5%増へ、円安・販売増が押し上げ
5月 10日 ロイター
10日発表の日産の業績見通しは、かなり明るい内容となっています。2014年3月期の連結営業利益は、円安や販売台数増から前年比16.5%増の6100億円となりました。
連結売上高予想は前年比7.7%増の10兆3700億円、連結当期利益予想は同22.6%増の4200億円、14年3月期の世界販売計画は同7.8%増の530万台に設定し、4期連続で過去最高を更新する計画となっています。主要地域別では、国内が同2.0%増の66万台、北米が同9.8%増の161万台、欧州が同9.1%増の72万台、中国は5.8%増の125万台となっています。
業績見通しのベースとなる通期の想定為替レートは1ドル=95円、1ユーロ=122円とし、前期実績に比べてドルで約12円、ユーロで約15円それぞれ円安に設定した。同社は為替が対ドルで1円変動すると年間で営業利益に150億円影響する。足元では1ドル=101円台で推移しており、この水準が続けば業績に上振れ余地がある。
会見したカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は、円高が修正され1ドル=100円となったことについて「ついにわれわれが望んでいた水準になってきた」と歓迎の意を示した。ただ「向かい風はなくなっただけで、追い風ではない」とし、これまでの生産計画を変更するつもりはないとの考えを示した。
ただし、日産ではこれまで中国事業を比例連結対象とし、現地の合弁会社の業績を出資比率に応じて売上高や各利益段階に反映していたが、今期から合弁会社を持分法適用会社として扱うことにしたため、前期実績と今期見通しを単純に比較できません。
とはいえ、為替による利益だけでなく、世界的に販売台数増という実質も伴うものだけに明るい内容といえるでしょう。