普通に考えれば、「食べログ」「ぐるナビ」「ホットペッパー」などのグルメ情報サイトやクーポン情報誌かなと思うかもしれませんが、実際にアンケートを取ってみると「「家族・友人・知人からすすめられた」「家族・友人・知人から情報」を参考にすることが一番多い結果になります。
飲食店集客において、「家族・友人・知人からの紹介」をいかにもらえるかが売り上げに大きな影響を与えることが以下の表でもご理解いただけると思います。
また、この紹介をもらうことは、リピーターの獲得戦略とも言え、リピーターを獲得することは、集客コスト面でも大きなインパクト与えます。
飲食店集客に困っている方は、新規集客も必要ですが、リピーター獲得戦略も怠らないようにしましょう。
日経レストランのアンケート結果では、人に教えてもらった、人に連れて行ってもらったなど、友人や知人を通した来店が76.7%もあります。
農林水産省の調査結果でも、同じく家族・友人・知人から情報を参考にする人が56.2%と一番高くなっています。
紹介してもらえるお店になるには
あなたのお店を紹介してもらうようになるためにはどのようにすればよいのでしょうか?
それは大きく2つが必要になります。
1.お店の売りをはっきりさせる
2.紹介してもらいたいキーワードをお店側が用意する
1.お店の売りをはっきりさせる
あなたが横浜市に住む友人から「家族で行けるおすすめの焼肉屋」を聞かれたら、どのように頭で考え、紹介しているでしょうか?
頭の中ではこう考えているはずです。
「横浜市に住む友人だから横浜の焼肉屋がいいな」「さらに家族連れだからアットホームなところがいいだろう」など、色々な条件から頭の中に覚えている焼肉屋を選び出しているはずです。
実は、その時の頭の中は、検索エンジンと同じような動きになっています。
あなたの頭の中では、「横浜 家族 焼肉屋」のキーワードで記憶しているお店をピックアップし、その中で上位に来るお店を候補とし、そして、その候補の中から一つ選択しています。
つまり、紹介してもらうためにも、その頭の中の検索エンジンでキーワード検索された際に、あなたのお店が上位表示されていなければ紹介されないということです。
お店の売りは、頭の中の検索エンジンで上位表示されたいキーワードとマッチングしている必要があります。
例えば、あなたのお店は、「店主自ら毎日築地におもむき、自分の目で確認した新鮮な魚のみを責任を持って調理し提供しています」という売りのお店であれば、頭の中の検索キーワードは「築地 新鮮 魚」や「新鮮 魚 食べたい」などのキーワードとマッチングしている必要があります。
しかしながら、よくありがちなのが、実際にそのお店に行ってみると、おすすめ料理が「鶏のからあげ」だったりすることがあります。
お店の売りの魚料理は、言わなくても頼んでくれるからと思っているのでしょう。
もう一品頼んでもらう料理として、あえて、おすすめに「鶏のからあげ」としたのだと思います。もちろん、おすすめとしていますので、多くの方が「鶏のからあげ」を頼むでしょう。
しかしながら、その結果として、お客様にとっては「新鮮な魚を食べられるお店」と強い印象が残らない可能性が非常に高くなります。
数日後に、「新鮮な魚が食べたい」と思った時に、「鶏のからあげ」という情報も頭の中に入ってきて、雑音が混ざってしまうのです。
頭の中で「新鮮 魚 食べたい」とキーワード検索された際に、その雑音によってあなたのお店が上位表示されにくくなるのです。
実際のSEO対策でも、コンテンツマッチと言って、検索キーワードとそのサイトページの内容のマッチングについてはかなり重要な要素になります。
お店の売りが決まったのであれば、その売りを「キーワード」に置き換え、そのキーワードを最大限表現させるために不要な情報が入らないお店作りが必要になります。
2.紹介してもらいたいキーワードをお店側が用意する
「おいしい」や「良い」といった主観的なキーワードでは紹介してもらえません。
「おいしい」や「良い」は人それぞれの主観であって、みんなの共通の認識とはならないのです。
人には好みがあり、その好みは千差万別で共通の認識とすることはほぼ不可能です。
例えば、あなたが「おいしい」と感じた「とんかつ屋」があるとしても、他人にとってもは「おいしい」と感じてもられないかもしれません。
ましてや、あなたに「おいしい」と紹介された知人から、あのとんかつ屋は「脂っぽくてちっともおいしくない」と言われてしまったら、次回以降、同じお店を他の人にも紹介したくなくなると思います。
主観で紹介してもらうと、せっかく紹介してくれた人にも、紹介してもらった人にも両方が残念な気持ちになってしまう可能性があるのです。
お互いに気持ち良く紹介してもらうためには、紹介する人の「主観を一切交えないで済む」キーワードをお店側で用意してあげる必要があります。
お店側で「これをしゃべってほしい」というものを用意するのです。
そのキーワードのポイントは、
A.「おいしい」「良い」といった形容詞は使わない
B.「数字」や「固有名詞」を入れる
例えば、「100頭に1頭しか取れない」「野菜を24時間煮込んだ」「100種類以上のスパイスで作った」などです。
あそこのとんかつ屋は「おいしいんだって」と紹介されると主観が入ってしまいますが、あそこのとんかつ屋は「100頭に1頭しか取れない貴重な豚を使っているんだって」と紹介してもらえれば、主観は一切はいらず、紹介している側も客観的事実を伝えているだけでなので紹介が楽になります。
主観で「おいしい」と伝えて、「おいしくなかった」と言われることほど悲しいことはありませんから。
その点、「100頭に1頭しか取れない貴重な豚を使っている」は単なる客観的情報なので責任を持つこともありません。
しかも、「100頭に1頭しか取れない貴重な豚を使っている」は、聞いた人それぞれでイメージを持ち、「100頭に1頭しか取れない貴重な豚のとんかつ」ってどんな味なんだとと興味を持ってくれます。
ただし、キーワードを作ったとしても、それを伝えることを怠ってしまえば、紹介や口コミはおきませんのできちんと努力しましょう。
店内のいたるところに、そのキーワードをアピールするPOPやチラシをはり、メニューにも紹介する。さらに店員にも事あるごとにキーワードを連呼させるようにしましょう。
また、味覚、聴覚、視覚、触覚、嗅覚の5感に訴えることも重要です。
私もよく行く店で、色んな国のチーズをメインにした料理を提供するレストランでは、料理を頼むと、その料理に使うチーズの大きなかたまりを目の前に、チーズを小分けして試食させてくれます。さらに目の前でそれを料理していく様を見ることが出来ます。
視覚、嗅覚が刺激され、チーズのお店であることが強く印象付けられます。
現物を触らせることも非常に印象付けられます。その場で釣った魚をさばいてくれる居酒屋があるのですが、釣りというエンターテイメントと、実際に魚に触れるという触覚から、「魚 居酒屋」というキーワードが頭の中で強く印象付けられます。
その他、様々な方法を使い、5感に訴えるように心掛けてください。
まとめ
飲食店集客において、新規集客も重要ですが、大きな売り上げを上げているお店は必ずリピーター戦略が徹底されています。
リピーター戦略とは簡単に言えば、思い出してもらえるように印象付けを行うことですが、その方法には様々な手法があります。
人にリピーターを付かせる手法や、商品やサービス自体にリピーターを付かせる手法など様々で、今回挙げた事例はリピーター戦略の一部分にすぎません。
しかしながら、リピーター戦略の中でも非常に重要な要素です。
売れているお店は、数多くの人に思い出されるお店です。
思い出されないお店が安定的に売り上げを上げることは不可能です。
あなたのお店も、頭の中の検索エンジンで上位表示されるように
1.お店の売りをはっきりさせる
2.紹介してもらいたいキーワードをお店側が用意する
を徹底しましょう。