「東シナ海供給網」台頭 競争の中に新たな商機
2013/6/3 日本経済新聞
九州の街を歩いていると、アジアの街だなと感じるときがあります。街並みや、空気、なんとなく他の日本の地域とは異なっているように思います。地図で見ても韓国にとても近く、韓国のドラマもよく九州でロケをしています。このような立地から九州地区ではアジアに目を向けた産業、経済活動が以前より多く見られています。
最近元気な韓国や中国のメーカーに対し、日本製品が危機感を募らせている、というのは良く聞く構図ですがそれだけではないのかもしれません。敵対して競争するのではなく、共に何かを創っていくウィンウィンの関係も可能なのかもしれません。
上海は何もかも大きな大都会、海に開け貨物量も世界最大規模を誇っています。そんな上海の港から、ダイハツの軽自動車部品を満載したコンテナが日本の下関港に向かうています。九州からだと上海も東京より近く、船で運べば、愛知から陸送するよりコスト面でメリットがあります。アジアの部品を使ってコスト競争力を高め、日本では付加価値をつけるものづくりにより生き残りをめざしています。
日産では、九州からの復路に日本製の高品質部品を載せて韓国工場に供給するアイデアも出ています。仏ルノー傘下のルノーサムスン自動車が釜山に持つ工場で、多目的スポーツ車「ローグ」を生産する予定があっり、同車種向けの高性能部品を日本から韓国に輸出する可能性は「十分にあり得る」そうです。
東シナ海サプライチェーンの勃興は、日本企業にとっても商機を生んでいるようです。